建設予定地

当面はやったことの備忘録

TechRAMEN 2024 Conference 参加レポート

はじめに

7/27(金)・28(土)に旭川市大雪クリスタルホールで開催された、TechRAMEN2024 Conferenceに参加しました。

techramenconf.net

この記事は、TechRAMEN2024 Conferenceの前夜祭+本祭の参加レポートです。

ことのはこび

今年の冬ぐらいに「7/27・28くらいに、tomioさんが旭川ででっかいやつをやるらしい」と聞きつけ、おもむろにカレンダーに予定を確保した日も今は昔。 諸々の経緯からお声がけいただいて、前夜祭・本祭当日はスタッフとして参加していました。

当日以外は特にスタッフとして何をしていたわけでもないのですが、一本だけnoteを書かせていただいたりしていました。

note.com

前々日

7/25の夜に東京からJALで移動しました。

空港の搭乗ゲート内でkojikaさんとrelaさんと偶然エンカウントするサプライズ。

JALの発着の遅れはありつつも、21:00頃に旭川到着後、#とみおめしにスライディング合流しました。

初の旭川飯。

ご飯会後はクラフトビールのお店で軽く二次会をした後、深夜2:00までシメパフェをやっていて、にゃんこがいる(!)カフェがあったので移動。

この日の宿は開催二週間前にぬるっとAirbubでとりました。

駅近&夜間はバー営業もやっている&朝ごはんに卵かけご飯が食べられるの三点セットなオシャ宿でめちゃくちゃ体験がよかったです。 リピートしたい。

前夜祭

当日は朝9:00に会場に集合。ネームカードをラミネーターに通す流れ作業をしたり、会場誘導・タイムキープをやったり、クロージングでパワポカラオケをしたりしていました。

オシャレネームカードはコアスタッフのときたさん(@kobutorigattu) デザイン. これで本職消防士さんだというので多才すぎる...

昼ごはんは会場から15分ほど歩いたところにある、らーめん玄の青南蛮醤油ラーメンを食べました。

青南蛮醤油ラーメン(らーめん玄)

南蛮の辛みにしっかり醤油が効いていて美味しかったです。

本祭

懇親会受付をやったり、会場誘導をやったり、荷物を運んだり、都度発生した諸々をしていました。

砂川町が誇るB級グルメと聞いたら食べずにはいられない

お昼ご飯はポークチャップ。この濃い味が忘れられません。

午後にはカフェブースもデプロイされていました。こちらはときたさん(@kobutorigattu) さんが焙煎してくれて、やまとさん(@yamato_sorariku) が淹れてくれたコーヒー。

印象に残ったトーク

スタッフをしながら、トークもちょこちょこ聴かせていただいていました。 全部のトークが最高すぎて、すべてを紹介しきろうとすると超大作待ったなしのため、ここではいくつかのトークをピックアップしてご紹介します。

質問する場はどこにある ~ちょっと失敗したかも編~ by かげろん こちらのトークでは、2つの異なるチームにおける質問文化の違いを事例として取り上げながら、課題とどう向き合っているのか?が紹介されていました。

普段業務をしている中で、リモート主体のチームにおけるテキストコミュニケーションを上手に使いこなしながら、「ためらいなく質問する」という行為の大切さを強く感じるます。 トーク中でお話されていた、「いつでも質問してね」の「どこで誰に?」や、「話の流れを遮らないか不安」は個人的にも共感できる感覚でした。 徐々に慣れてきましたが、新卒一年目のチームにアサインされたての頃は感じることがありました。

タスクや話題ごとにスレッド分けのないチャットツール上のやりとりなどで、「自分が突然関係のない投稿をして、話の流れを遮らないか不安」のような感覚は誰もが一度通ったことがあるのではないかな?と思います。 (「〇〇さんが入力中です...」となっているのに気がついたときのタイミングの探り合い・譲り合いにも似たものを感じます)

質問しやすい場作りをされた、という取り組みがとても素敵だな、と感じました。

Podcasting Guide 2024

高専在学時代から配信数260回にものぼる5年モノのpodcastを続けているというmktakuya(@mktakuya) さんのお話。

純粋に、「続ける」ことの説得力が凄いなと尊敬でした。

印象に残ったのは、大方針を「80点の品質を低工数で安定して出す」とした上で、「メンバー・スケジュールを固定化する」という工夫をされている、という部分でした。

これは、podcastに限らずあらゆる物事でも適用できそうな工夫だなぁと感じます。

前者については、工数をかけすぎると続けにくくなるし、かといって品質を下げるとpodcast自体が聞かれづらく、モチベーションが湧かなくなってしまうということでした。 (例えば運転中に聴くpodcastの音源がガビガビだと、聴くのを止めてしまう) 編集で楽をするために収録時の音にこだわる(そのための初期投資を惜しまない)」という指針がすごくスマートだなぁと思いました。

後者については、不安定要素が多く、調整コストが大きい決め事ほど流れがち、というのはあるあるかなと思います。 「固定化する」という方針に舵を切ったことはもちろん、それが5年続けられる関係性のメンバーがいる、というのが素敵だなと感じました。

【導入編】SvelteKitで始めるWebサイト/アプリケーション開発 こちらのセッション中は、スタッフとして司会/画面接続補佐な役割をしつつ、ワークショップに混ざって参加させていただきました。

僕自身、普段の仕事ではNext.jsを書いていますが、副業の技術調査でSvelte/SvelteKitに触れる機会がありました。 SvelteのVue Likeなテンプレート構文や、Next.js/Reactにはない(仮想DOMを使用しない、記述量が少ない、コンパイル時に値を検知するReactive性などの)シンプルさや開発体験に親しみをおぼえていて、今アツいなぁと思っている言語の一つでもあります。

ワークショップ中は、SvelteKitのサーバーフレームワークとしての可能性のお話を聞いたり、会話の中でも多くの新しい発見があってとても学びになりました。

増岡(@fkuMnk) さんのzennがとてもよくまとまっていて、初めてSvelte/SvelteKitを学びたい!という方は必見なのでは?という気持ちになりました。

zenn.dev

ひとりのプログラマ、問題解決者としての原理原則とワークフロー t-wadaさんによる基調講演でした。全部が良すぎてまとめきれないので、いくつか印象に残った部分ですが

不確実性と向き合うために、現状を考えて、目標地点に向けて最も小さな一歩を踏み出す

不確実性との向き合い方の第一歩が「課題を抽出して、小さく分解すること」であるのは、後述の77webのお話とも繋がる部分だと思います。

スモールステップとGit commitのお話も印象深かったです。

人間には羞恥心や虚栄心があることをGitは知っているので、「もどる技術」が用意されている だからこそ、あとから戻りやすいように細かい粒度でcommitする

聞いていて、「言語化が上手い......!」となりました。

Gitは歴史の修正を許してくれるので、「コミットメッセージはあとから直す」くらいの気持ちでcommitしていい。

テストがgreenになるまでcommitしない、ではなく、その日中にできる最小単位のcommitをする、というお話をされていました。

業務をしている中で、revertが必要な場面、というのはどうしても起こりうるのだなと感じます。そうした中で、戻りにくいcommit履歴に苦しむ、という場面も少なからずありました。

講演の前半で、「無謬主義に陥りがちだが、大切なのは、自分たちのしていることはそもそも間違っているという前提に立つこと」というお話がありました。

人間は完璧ではない(失敗をする) 生き物だからこそ、それを認めて、(失敗しても戻りやすいように)小さいコミットを重ねる、というメンタリティは、日々の業務の中でも忘れないようにしたいです。

すばやく実装するための戦略とテクニック2024年版 speakerdeck.com

素早く実装を行うために何をすべきか?というのは勿論のこと、そもそもなぜ速度が出ないのか?という疑問に立ち返り、「わからない」と速度が出せない、とお話されていたのに、首がもげるほど頷いていました。

機能要件がわからない(そもそも決まっていない)、処理のボトルネックがわからないなど、不透明なことが多ければ多いほど、プランニングなどでの見積もりもしづらく、実装に時間がかかってしまう(手が動かせない時間や手戻りが発生してしまう)というのは「本質情報じゃん......」と痛感した部分です。

このような課題に対しては、大きな問題を分割することで、「わからなさ」を削りながら実装していくのがいい、とお話されていました。 僕自身、早い段階で問題の抽出と小さな質問を重ねて不透明さをなくしていくことで、結果的な実装スピードにつながっていることを、業務のスクラム開発の中でも目に見えて感じているため、自分の中での指針にしたい、と思うくらい説得力のあるお話でした。

また、印象に残ったのは、自分自身を早くするには、「決断を早くする」ことと「思考を早くすること」、という部分でした。 思考を早くするために、手っ取り早いのは「速聴」で、Youtubeの倍速再生などでも効果があるそうです。 日々の生活の中で取り入れられそうなトレーニングなので、ぜひ真似して磨いてきたいです。

これまでと違う学び方をしたら挫折せずにRustを学べた話 テーマがRustというのはもちろん、あのt-wadaさんが新しい技術を学ぶとき、どのような学び方をしているんだろう?という部分で純粋に興味が惹かれるお話でした。

Rustはコンパイラに圧倒的な信頼を寄せることができる言語です。「Rustの厳しいルールは腹落ち感があるからついていける」という表現がすごく的確だなぁと思い、印象に残っています。

プログラミングRust を買いましょう。

【パネルディスカッション企画】ゆるいエンジニア相談室 ~あずましい開発組織とは

みやまえ(@myou_it) さんが抱えている、「コミュニティとの出会いと世間一般とのギャップの認識」についての悩みや、勉強会のあり方、キャリアパスのお話をテーマにしたパネルディスカッションは、自分自身も聞いていて刺さる部分が多かったです。

経験の中で抱えられてきた課題や痛みであったり、それとどのように向き合ってきたか/どう向き合うか?というパネラーの皆さんのお話に聞き入っていました。

note.com

勉強会についての、「懇親会は魅力品質であって当たり前品質ではない」というお話も印象深かったです。

「懇親会を楽しめるか」という部分は、実利抜きの(その人とコミュニティの)相性になってしまう。本編だけでも満足してもらう(実利になるものを持ち帰ってもらう)とリピーターになってもらいやすい。

勉強会の懇親会で人と話すのは楽しいですが、「本編が当たり前品質として提供されていること」はたしかに見失ってはいけない部分だなぁ、と思いました。 (本編を目的にして参加するため、あえてオンラインを選ぶ場面も多々あります)

勉強会・カンファレンスに同僚や知人を誘うとき、「誘う人がそのテーマに興味を持てるか/学びを持てるか?」はもちろん、「誘う人とそのコミュニティとの相性」を熟考して誘う、というお話など、自身が能動的にコミュニティと関わる機会が多い分、共感できる部分が多かったです。

「転職を意識するのはどんなときか?」という、キャリアパスについてのテーマもありました。 僕自身は新卒二年目の身の上で、転職を経験したことはありませんが、人がどんなときに転職を決意し、どんなときにその会社・チームに留まりたいと思うのか?という部分は興味深く聴くことができました。

懇親会

懇親会の様子
乾杯は北海道ジンジャーエール

道北食材へのこだわりグルメに、ラーメンサラダに旭川醤油ラーメンも完備。日本酒もありと盛りだくさんでした。

合宿参加

美瑛町の合宿所に炒飯大盛りセットで参加しました。 朝7:00に起床してラジオ体操をします。健康的すぎる......

初日の朝はくろさん(@gatto_man) 差し入れのふらのメロンを食べました。皮まで甘くてめちゃ美味でした。

最終日の朝食は、旭川市美瑛町のご当地ファストフードのジュンドッグをいただきました。 どういうものかまったく知らなかったため、ホットドック的なモノを想像していたら、中にぎっしりお米が詰まっていてほぇ〜となりました。

これはフードロスと戦うべく、ジュンドッグのお供にスイカフードファイトをする人々の図。

嬉しかったこと

@t_wada さんにサインをいただきました。嬉しすぎる......。 懇親会が終わった後の少しの時間でしたが、実際にお話ししてみて、溢れ出る優しさと紳士オーラでますますファンになりました。 Rustをテーマに、LT後のAsk the Speaker的なお話がここでもちょっとだけできたのが嬉しかったです。

おわりに・謝辞

あらためてTechRAMEN2024 Conference、最高のカンファレンスでした!!

tomioさんが長年、地方コミュニティと正面から向き合い、深く考え続けてきたからこそ煮詰まった「あずましさ」が一つの形として具現化されたのがTechRAMEN2024 Conferenceなんだろうな、と感じています。

「生活と仕事の間にある不思議な熱量を突き詰めたら今日ができる」

エンディングのこの言葉にすべてが詰まっている気がしていて、めちゃくちゃ好きな言語化でした。なんども思い出して反芻したいです。

これも大好きです。あずましい再現性ってなんだろう、の一つの答えが詰まっている気がします。

謝辞は本当に書ききれないですが、TechRAMEN2024関係スタッフの皆さん、FuraIT(#furait) とゆるい旭川勉強会(#aosc) の皆さん、当日関わってくれた皆さんと、主催のtomioさんに感謝です!